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一方 睡眠不足は 睡眠をとる時間が十分に確保できていない状態です

睡眠負債と睡眠不足の違いはなんでしょうか

5月に神経科学誌「ネイチャー・レビューズ・ニューロサイエンス」に掲載された論文は、慢性的な睡眠不足が脳に及ぼす影響は「意外なほどほとんど理解されていない」と論考した。

睡眠不足になると「日中の眠気」「疲労が取れない」「疲れやすくなる」「集中力・注意力・判断力・記憶力の低下」などが起こり、翌日のパフォーマンスが落ちるのは事実。日常生活や仕事にも支障が出てしまうこともある。

睡眠不足の主な影響として「ストレス」「脳の不具合」「腰自体の不具合」の3つが考えられています。

スウェーデンの調査では交代勤務者の健康度はそうでない人に比べて低いと報告されています。生活習慣病やうつ病などの心の病気も、交代勤務による睡眠不足が引き金になることも多いと考えられているほか、睡眠不足によって産業事故の発生リスクが8倍になるという調査報告もあるのです。

日本人の睡眠時間は欧米諸国と比べると短く、特に女性ではその傾向が顕著に表れているというデータがあります。また、厚生労働省のデータによると、現在、日本人の5人に1人は、睡眠時に何らかの障害を抱えているとされています。時間が不足しているばかりか、内容にも問題があると考えられる睡眠。しかも睡眠不足は、高血圧や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の原因になるともいわれています。では私たちの睡眠の実態はどうなっているのでしょうか。理想的な睡眠を得るにはどうしたらいいのか、探っていくことにしましょう。

最近話題の「メタボリック症候群」の一因に、「睡眠不足」が挙げられると言っても過言ではありません。生活習慣病の予防には、食生活の改善や運動習慣と共に、充分な睡眠習慣が重要です。

デュークNUS医科大学院の2014年の研究では、加齢とともに睡眠時間が短くなると脳の老化が早まると報告された。アルツハイマー病患者では、脳が縮んで、脳脊髄液が入っている脳室が広がり、脳の溝やしわが目立つようになる。研究者たちは、高齢者における睡眠不足が脳室の拡大速度を速め、認知機能を低下させることを見いだした。脳室の大きさと認知機能はいずれも、アルツハイマー病の発症と関連性がある重要な指標だ。

不眠は、眠るために寝床に入っても寝つきが悪いなど、眠るのが困難で質のよい睡眠を得られない状態です。一方、睡眠不足は、睡眠をとる時間が十分に確保できていない状態です。不眠も睡眠不足も、日中の眠気の原因となるだけではなく、何日も続くとさまざまな心身の不調の原因となります。

睡眠不足と似た言葉に「不眠」があるが、この違いをきちんと説明できるだろうか。髙木医師によると、「不眠は睡眠障害の一つであり、十分な睡眠時間を取っていても量的及び質的な障害が生じている状態にある」場合を指すという。

ペンシルベニア大学と北京大学の共同研究によれば、睡眠不足のマウスは、注意力や認知機能に関連する青斑核のニューロンが25%減少していたという。論文著者の一人シグリッド・ビージーは次のように述べている。

「一般に私たちは、短期的あるいは長期的な睡眠不足の後でも、認知能力を完全に取り戻せると思い込んできた。しかしヒトを対象としたいくつかの研究で、注意力の持続時間やその他いくつかの認知機能は、充分な睡眠を3日間取っても正常に戻らない可能性があることが示されている。つまり、脳の損傷は長く残る可能性も考えられる」。彼女はさらにこう付け加えた。「(最近まで)睡眠不足が脳に不可逆的な損傷をもたらしうるとは誰も考えていなかった」

睡眠負債と睡眠不足の違いはなんでしょうか。睡眠不足は言うまでもなく人間に必要な睡眠時間がとれていない状態です。その結果、疲労の蓄積や集中力の低下、そして健康にも様々な弊害が生じます。
睡眠負債とは、睡眠不足が慢性化し、不足分が借金の利息のように徐々に積み重なっていくことで、肉体に不調をきたす状態のことをいいます。2017(平成29)年の厚生労働省「国民健康・栄養調査(外部サイト)」によると、20歳以上の日本人の4割は睡眠不足の状態であるとされています。

睡眠不足による弊害が分かったところで、次に睡眠不足が腰痛を悪化させるメカニズムについて考えてみましょう。

「たかが睡眠不足」と片付けてしまうのは簡単だが、長期にわたる睡眠不足はうつ状態を招く恐れもある。今回は睡眠不足が体に及ぼす影響や対処法について、精神保健指定医の髙木希奈医師にうかがった。

「適度な睡眠時間は個々によって違うため、実際の睡眠時間には関係なく、本人が主観的に『よく眠れた』と感じられずに朝の目覚めが悪かったり、睡眠の満足感が得られなかったりすれば不眠と言えます。一方の睡眠不足は、十分の睡眠時間や環境を確保できれば、きちんと問題なく眠れる状態にありますので、不眠とは異なります。言い換えると、『睡眠自体は問題ないが、単に十分な睡眠時間が確保できていない』ということになります」